俯せのマッサージ
指圧やスポーツマッサージ、タイ古式等の要素を取り入れたオールハンドのマッサージです。脊柱起立筋群、菱形筋、上後鋸筋等を揉捏した後、臀部、ハムストリングス、ふくらはぎと下肢全体をほぐし、体の後ろ側を通る経絡のツボを刺激いたします。
上背部のマッサージ
胸椎と肩甲骨を繋ぐ大菱形筋の停止部を肩甲骨の上角内側から下角内側にかけて母指で揉捏します。大菱形筋は肩・首・背中を覆う僧帽筋の下層にある筋肉で左右の肩甲骨どうしを引き寄せる働きがあります。次いで胸腸肋筋を母指で揉捏。胸腸肋筋は胸椎のやや外側を縦に走る筋肉で肋骨に付着しています。背中が丸まりやすい方は固くなりやすい部位でもあります。上背部を全体的に揉みほぐした後、背部の経穴を親指で押圧します。
下背部から腰部の施術
第9胸椎から第5腰椎にかけての両外側、脊柱起立筋に沿って点在する経穴にを母指にて押圧します。次いで腰腸肋筋や腰方形筋等を揉みほぐしていきます。
臀部・下肢(後面)の施術
脊柱起立筋の仙骨に付着する部分を揉捏でほぐし、経絡を押圧します。次いで臀部全体を覆う大殿筋や大転子と上前腸骨棘を繋ぐ中殿筋等を母指揉捏で緩め、小野寺殿点(上前腸骨棘と上後腸骨棘との中間で腸骨稜より約3センチ下方)や浪越圧点(大転子上部、指圧の第一人者である浪越徳次郎氏によって発見、命名)等を持続圧迫いたします。
ハムストリングスからふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋・アキレス腱等)を揉捏で緩め、太もも後面の付け根部分や膝窩部などを押圧します。次いで腸脛靭帯や腓骨筋の緊張を緩め、大腿外側から外果にかけて点在する経穴を母指にて刺激していきます。最後に足底の反射区を押圧して側臥位のマッサージへと移行します。
腹臥位でマッサージする筋肉と施術内容
肩甲挙筋の施術 |
肩甲挙筋は頚部の後外側にある筋肉で首の骨と肩甲骨の上部を繋いでいます。肩甲骨を上に引き挙げる(肩をすくめる)際の主力筋で、顔を横に傾ける動作や背中に手をまわす時の動作にも関わっています。マッサージの手順は起始部である首筋の上方から肩を経由して肩甲骨との付着部付近まで揉捏をかけた後、同じ部分を押圧していきます。肩甲挙筋の施術において重要なのは停止部である肩甲骨との付着部をしっかりと緩めることです。この筋肉の停止部の幅はちょうど親指の指腹一つ分なので肩甲骨との付着部に親指を縦に当てればピタリと抑えることができます。停止部から若干背骨よりのポイントにコンタクトして母指圧をかける方向を肩甲骨の内縁に向けて押し込んでいくと深部筋のしっかりとアプローチすることができます。 |
頭板状筋の施術 |
頭板状筋は後頭部の深層に位置する筋肉で頭蓋骨と背骨を繋いでいます。パソコンの画面を見たりするとき顔が前に出てしまっている姿勢やスマホを見下ろしているときなどはこの部位に頭の重みが掛かります。この筋肉を収縮させると顔が上を向くのでロードバイクなどに乗る習慣のある方は凝りやすい傾向があります。頭板状筋の揉み方は頭の付け根から首の付け根にかけて外側に向けて揉捏していくと気持ちの良い圧となります。 |
大後頭直筋の施術 |
大後頭直筋は後頭骨と首の骨を繋いでいて、頭を後ろに反らせたり、首を傾いたりする筋肉です。また、頭を水平に保つ役割も担っています。この部位の揉み方は盆の窪の辺りから筋肉の内縁を辿るようにして母指圧をかけながら揉捏していきます。 |
上頭斜筋の施術 |
上頭斜筋は後頭部と首の後ろを繋ぐ筋肉でここが左右同時に収縮すると頭が後方に引かれます。上記の大後頭直筋等と連動して頭の関節の位置と運動の調整を行います。起始部から停止部にかけて筋膜を左右に捏ねるようにしてマッサージしていきます。 |
腸肋筋の施術 |
首から腰にかけて走る脊柱起立筋群の一部で筋群の外側に位置し、読んで字のごとく肋骨部分と腸骨を繋いでいます。とても縦幅の長い筋肉で頸部、胸部、腰部の3パートにわかれています。この筋肉が左右同時に収縮すると背骨を反らせる伸展という動作になり、左右どちらかが収縮すると体を横に傾ける側屈や状態を捻じる回旋という動作になります。この部位があんまり凝り固まると肋骨と癒着しやすく、施術する際も癒着した部分を?がしていくように揉捏をかけていきます。 |
最長筋の施術 |
脊柱起立筋群の一部で背骨の両側に位置していて、背すじを伸ばす動きや体を横に倒す動作に関わっています。最長筋は凝り固まった状態が長く続くと背骨にべったりと癒着してしまうことがあり、それによって体を後ろに反らせる際の可動域が狭くなってしまうこともあります。この筋肉をほぐす際は背骨のすぐ外側に母指圧をかけ、外側にベクトルをかけながら揉捏していきます。また、脊柱起立筋群の上には背部兪穴等の多数の経穴が点在していますのでそれらも併せてツボ押ししていきます。 |
菱形筋の施術 |
上背部背骨と肩甲骨の間にある筋肉で脊柱の棘突起と肩甲骨の内側のラインを繋いでいます。肩甲骨を背骨の方に引き寄せる動きや肘を後方に引く動きなどに携わっています。また、前鋸筋と協働して肩甲骨の内側部を胸郭に保持します。背中の丸まった姿勢を長時間続ているとこの筋肉が外側へ引っ張られるため、伸張性が乏しくなって収縮しにくくなってしまいます。その場合、姿勢からのアプローチも必要となりますが、まずはマッサージで硬くなった菱形筋を緩めることをオススメします。施術法は両手を握った状態で第二関節の部分を胸椎の際に当て、圧をかけながら母指を支点にして小指を開くようにして菱形筋を引き?がすようにしてリリースをかけていきます。次いで停止部である肩甲骨内縁の部分を全体的に按摩の要領で揉捏していきます。 |
前鋸筋の施術 |
胸の外側から肩甲骨内縁にかけてのインナーマッスルで肩甲骨を外側に送る動きや腕を前に出す動きなどに関わっています。スポーツ動作としてはボールを投げる動作やバレーボールなどのスパイクの動作などに携わっています。長時間、前傾姿勢でパソコンに向かって腕を前に出していると縮みやすい傾向があります。体の脇の部分で人によってはくすぐったい部位でもあるためか前鋸筋を施術しない指圧師や按摩師の方も多いようですが、肩甲骨を自在に動かすためにはこの筋肉の柔軟性はとても大事なので当店では極力くすぐったくならないよう、捏ねたりせずに母指による押圧のみで施術いたします。 |
棘上筋の施術 |
棘上筋は肩甲骨上部に位置する筋肉で肩甲骨棘上顆から上腕骨の大結節にかけて走行していて肩関節を外転(腕を横に上げる動作)させる筋肉です。関節の近くを走行するインナーマッスルとして骨頭を関節窩に引き付け、支点を形成する役割があり、他の組織と上手く滑走したり、しっかりと収縮することが重要です。また、僧帽筋がなかなか緩まない場合はその深層にある棘上筋をほぐす事によって上部僧帽筋との滑走性が増して僧帽筋がほぐれることがあります。棘上筋のほぐし方は肩をすくめるようにして肩を上げた状態にして上部僧帽筋を短縮位にした上で押圧していきます。次いで母指圧をかけたまま按摩をするように捏ねていきます。 |
棘下筋のマッサージ |
棘下筋は肩甲骨の棘下窩・棘下筋膜の内面から起始して筋束は集中して外方へ向かい、上腕骨大結節の中部に停止しています。肩関節の外旋(腕を外側へ捻じる動作)や肩関節を外転(腕を横から上へ上げる動作)・内転(上げた腕を横から下ろす動作)させる筋肉です。この筋肉が硬くなると腰に手を回しずらかったり、ズボンを上げにくかったり、女性であればブラジャーを止めにくくなったりすることがあります。棘下筋はローテーターカフの一つで三角筋などと協働してパソコン操作などにも携わりますのでデスクワークの方の大半はこの筋肉の上部線維をよく使われていると思います。棘下筋は肩甲挙筋や菱形筋と筋膜の連結がありますので棘下筋をほぐすことで肩や肩甲骨の内側の緊張が緩むことがよくあります。 |
梨状筋の施術 |
梨状筋は仙骨の前面から大転子の先端にかけて走行していて主に股関節の外転(足を横に開く動き)や外旋(膝を外側へ開く動き)で働きます。梨状筋のマッサージは起始部から停止部にかけて母指圧をかけながら上下に揺らすようにして揉みほぐした後、母指にて押圧いたします。 |
膝窩筋のマッサージ |
膝の後面、大腿骨外側上顆の外側面から脛骨の後面にかけて斜めに走行する筋肉で膝関節の屈曲(膝を曲げる動作)や下腿の内旋(つま先を内側に向ける動作)をさせる筋肉です。この筋肉の収縮性が弱かったり、腸脛靭帯などの太ももの外側の組織の伸張性がなくなると下腿は外旋位となり、膝窩筋は常に伸張ストレスが加わり、筋肉が伸びた状態で固まってしまうことがよくあります。膝窩筋の施術は起始部から停止部にかけて母指圧を加えながら按摩の要領で揉捏をかけていきます。膝窩筋は腓腹筋に覆われているためマッサージによる直接的な圧が浸透しにくいので腓腹筋の内側頭と外側頭をずらすような操作により、腓腹筋と膝窩筋の滑走性を出していきます。 |
後脛骨筋の施術 |
ふくらはぎの深層、腓腹筋の奥にはヒラメ筋がありますが、その更に深層にあるのが後脛骨筋です。脛骨や腓骨から起こり、足首の内側を通って足裏の舟状骨や楔状骨、立方骨などに停止しています。この筋肉が収縮すると足首の底屈の動作(つま先を伸ばす動き)や足首の内反をします。足裏のアーチの形成にも関わっている筋肉でもあります。施術は脛骨の内縁を膝下から内くるぶしの辺りまで圧を浸透させるようにゆっくりと押し込んでいきます。 |
腰のマッサージ
腰の施術は脊柱起立筋群の揉捏から始めます。脊柱とは背骨のことで、背骨を起立させる、つまり姿勢を真っ直ぐに保つのがこの筋肉群の役割です。脊柱起立筋群の一つである最長筋はその名が示す通り人体で最も長い筋肉で頭蓋骨と仙骨を繋いでいて背骨に沿って走行しています。最長筋が凝り固まっている方は筋膜と腰椎が癒着していることが多いので施術では癒着した筋膜をリリースさせることから始めます。腰部最長筋の内側部に母指圧をかけ、外側方向へ引き?がすようにして揉みほぐしていきます。
次いで第1~第5腰椎の際、最長筋の筋腹よりやや内側の部分を母指で押圧していきます。押し方は先ず垂直に母指圧をかけていき、硬結に触れたら外側(脊柱と反対の方向)にベクトルを変えて押し込んでいきます。
次に腰方形筋に揉捏をかけていきます。腰方形筋は骨盤や腰椎に付着しているため、長時間座っていることが多い方は凝りやすい傾向があります。特に背もたれに腰を預けた状態で座っていると腰が屈曲した状態になりがちです。腰が屈曲した状態の時は腰方形筋が伸びた状態になり、それが長時間続くと過緊張になり、硬化してしまいます。腰方形筋をマッサージで緩めることで伸展(腰を反らす動作)や側屈(体幹を傾ける動作)で連動する脊柱起立筋群の負担の軽減にも繋がります。
ハムストリングスのマッサージ
ハムストリングスとは腿の後ろ側にある3つの大きな筋肉の総称で、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋という筋肉から構成されています。膝を曲げる動作や脚を前から後ろへ運ぶ動作、立った状態からしゃがむ動作などに携わっています。
腰椎の際にある腰神経叢の下方の神経は臀部を経て後ろももの正中線上を通るため、腰が凝ることで筋肉が硬くなり、その神経を圧迫し続けるとハムストリングスがこわばりやすい傾向があります。逆に言えばハムストリングスをほぐすことで神経や筋膜の反射が起これば腰へのアプローチにも繋がります。
揉み方は膝を少し曲げた状態で半腱・半膜様筋の起始部である腸骨のすぐ下の部分から膝窩の上方にかけて手根や母指を使って按摩の要領で揉捏をかけていき、停止部の膝窩下方内側部も揉捏をかけていきます。大腿二頭筋も同様に起始部から停止部にかけてマッサージで緩めた後、大腿後面正中線上の中央にある殷門という経穴をツボ押しします。
膝窩部のマッサージ
ハムストリングスの施術からの流れで、膝裏とその周囲筋をマッサージいたします。内側ハムストリングスを揉みほぐした後に半膜様筋の停止部である脛骨内側顆の後面の筋腱部分を揉捏し、同様に外側ハムストリングス(大腿二頭筋)の停止部である腓骨頭付近の筋腱部分を揉捏します。次いで膝窩筋を揉みほぐした後に膝窩横紋中央部の委中という経穴をツボ押しします。
また、膝上の約5センチ幅の部分ではハムストリングスと腓腹筋が癒着している場合もあるため、膝関節の運動操作を交えたリリース法にて筋肉の滑走性を高めていきます。
腓腹筋のマッサージ
腓腹筋はふくらはぎの表層を覆う筋肉で大腿骨や膝関節包(テーピングのように膝関節を保護している組織)から始まり、踵骨で停止しています。上部は外側頭と内側頭の二頭に分かれていますが、下方で合流してアキレス腱になります。腓腹筋が収縮すると上方へ力が加わり、踵が上へ引っ張り上げられます。それによって足関節の底屈(つま先を下に向ける)の動作になります。また、膝の屈曲や足関節の内反(足の裏を内側に回す運動)の役割も兼ね備えています。
この筋肉は起始部周辺がもも裏にあるハムストリングスと重なっているため膝上5㎝ぐらいの部分で二つの筋肉同士が癒着を起こす場合があります。座り仕事や車の運転などで毎日のように長時間座ったままでいる方に多く見られる傾向がありますが、腓腹筋の内側頭は内側ハムストリングスと癒着し、外側頭は外側ハムストリングスと癒着します。これらが癒着してしまうと膝関節の動きが硬くなったり、膝を真っ直ぐに伸ばしきれなくなってしまいます。当店に施術を受けに来られるお客様にも仰向けの状態で横になった時に膝裏とマッサージベッドの間に大きく隙間ができる方々がいらっしゃいますが、そのような方々も腓腹筋とハムストリングスの癒着が原因と考えられます。その場合は運動操作を交えたリリース法を用いてくっついてしまった筋肉同士をはがすようにしてマッサージしていきます。
ご来店お待ちしております。
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