上半身のマッサージとストレッチ(オプション)
仰向けの後、最後に座った状態でマッサージを行います。
首・肩・背中の表層を覆う僧帽筋や背骨と肩甲骨を繋ぐ大菱形筋、肩の上げ下げで働く肩甲挙筋などを揉捏でほぐし、肩上部や上背部の経穴(ツボ)を押圧します。
マッサージの後大胸筋や横隔膜、胸鎖乳突筋等をストレッチ致します。オプションで20分の全身ストレッチのコース(1,950円)もございますのでご興味のある方はご遠慮なく仰ってください。
肩甲挙筋のストレッチ
肩甲挙筋は1~4番頸椎の横突起と肩甲骨の上角を繋いでいる筋肉で、読んで字のごとく肩甲骨を挙上する(肩をすくめる動作)で働きます。また、頸椎の側屈(頭を横に倒す動作)にも携わっています。
施術はお客様が座った状態で施術者は後方からアプローチします。肩甲挙筋に肘をあてて上肢を挙上させ、肩甲骨を上方回旋位とし、お客様の肘を把持しておきます。肩に当てている肘で肩甲挙筋を押圧しながらもう片方の手で頭部をゆっくりと斜め下方向へ動かして肩甲挙筋をストレッチしていきます。
次いで両肩を挙上していただき、肩甲挙筋を収縮させます。その後押圧する肩甲挙筋の位置をずらしながら繰り返し行っていきます。
この手技は肩甲骨の可動域が狭い方や頭を横に傾けにくいといった方にオススメです。
肩関節外転法
肩関節の外転(手を横から上へ上げる動作)の動きをスムーズにするためのアプローチ法です。
腕を上げる際に前方からは上げやすいけれども側方からは上げにくいといった場合、肩関節の外転に伴って骨頭がスムーズに下方へ下がらずに肩がすくんでしまう傾向があります。
この手技は筋収縮を利用して骨頭が下方へ滑りやすくなるように誘導していく施術法です。
お客様が座った状態で施術者は側方からアプローチします。お客様には片手を側頭部にあてていただき、お客様の肘を施術者の肩に乗せてお客様の肩が上げらないように押さえておきます。その状態から肩関節を内転方向へ動かしていただき、等尺性収縮を5秒程度行うと共に骨頭を下方へ誘導していきます。適宜、肩関節の角度を変えて行って行きます。
胸椎モビリティ操作法
背中が丸まりやすい方や頭が前に出やすい方にオススメのアプローチ法です。梃子を利用して胸椎伸展の動きを出していく操作法になります。
お客様が座った状態で首の後ろで両手を組んだ状態で両肘を閉じていた抱きます。施術者は手を胸椎の両側にあてがっておきます。その状態でお客様の両肘を上方へ上げて胸椎を伸展させていきます。胸椎両側にあてた手を少しずつずらしながら繰り返し行っていきます。
上腕三頭筋起始部周囲へのストレッチ
上腕三頭筋は上腕後面にある三頭(長頭・内側頭・外側頭)から成る筋肉ですが、ここでは主に長頭の起始部周辺にアプローチするリリース法をご紹介いたします。
上腕三頭筋長頭の起始部は肩甲骨の関節窩結節という所に付着していて、腕を挙上する役割を担っています。ローテーターカフと腱膜の連結があるため、上腕三頭筋長頭が硬くなることで肩関節のの可動域が狭くなってしまうことがあります。また、この部位が硬くなることで腋窩神経を圧迫しやすいので適度な柔軟性が必要です。
お客様が座った状態で片方の肘を曲げていただき、手首を回外位にすることで橈骨を外側へ寄せておきます。また、肩甲骨が上方回旋しないように施術者の手でブロックしておきます。その状態から肘を上後方へ動かしてストレッチをかけていきます。
胸鎖関節へのアプローチ
胸鎖関節は鎖骨を介して体幹と肩甲骨をつないでいる関節で、肩甲骨は胸鎖関節を中心として動いています。この関節の周囲には様々な筋肉や靭帯が付着していますが、ここでは姿勢や腕を上げる際の制限となりやすい前胸鎖靭帯(鎖骨の伸展を制動する靭帯)と肋鎖靭帯(鎖骨の挙上と後方回旋を制動する靭帯)についてのアプローチ法についてご紹介いたします。
お客様を座位か立位にて施術者は背後からアプローチします。施術する反対側の腕を後ろに引いて施術者の腕を肘の間に入れ、肩関節を伸展・内転位に固定することで胸部を固定しておきます。そのまま肘の間から差し込んだ手で肩甲骨内側縁を抑え、カウンターとしてブロックしておきます。
そこからもう片方の手で施術する側の鎖骨を把持して伸展方向へ伸張していきます。この時、先ずは肋鎖靭帯を緩めるために鎖骨を挙上・伸展方向へ伸張した後、今度は鎖骨をやや下制気味に伸展方向へ伸張することで前胸鎖靭帯を伸張していきます。
このページでは主に安座の状態でのマッサージをご紹介しています。